小屋の屋根材別雨漏りの原因と補修

小屋の屋根というのは、小屋の大きさによって素材や工法が異なります。しかしどんな屋根でも老朽化により雨漏りがすることがあります。雨漏りの原因は屋根の素材や工法によって違ってきます。その原因と対策をご紹介します。

棟板金からの雨漏り

屋根が山型になっている小屋で、山の頂点の部分に棟板金を当てている場合は、そこから雨漏りすることがあります。

原因は、棟板金の継ぎ目の浮き上がり、はがれ、棟板金を止めている釘が抜けてなど、色々なすき間から雨水は浸入してきます。

棟板金の下には、貫板という板が入っていて、棟板金からの浸水によって貫板が腐ると雨漏りがひどくなります。

まだ雨漏りがひどくない場合は、棟板金のすき間をコーキングで埋めるだけでも効果があります。

屋根の様子を見て、棟板金と屋根の間にすき間があったり、棟板金の継ぎ目にすき間がある場合は、全部埋めておきましょう。

雨漏りがひどい場合は、一度棟板金をはがしてみて、貫板が腐っている場合は貫板の貼り替えも必要です。

貫板は樹脂製のものにすると浸水による腐食の心配もなく、耐用年数も伸びます。

 

スレートのひび割れ

屋根がスレート葺きの場合は、スレートのひび割れから浸水して雨漏りになる場合があります。

スレートとは、粘土などでできた薄い板状の屋根材のことで、天然石やセメントなど、様々なものでできていますが、瓦に比べると耐久性は劣るものの、軽くてデザイン性が高いのが特徴です。

「コロニアル」や「カラーベスト」と呼ばれるものもスレートです。

スレートは瓦よりも薄く作られているため、雪の重みや強風でものが飛ばされてきてぶつかったり、地震などによるゆがみで割れることがあります。

また、経年劣化でスレート表面の塗膜がはがれ、スレートそのものに水が染み込んでひび割れることもあります。

こうしたひび割れから雨水が浸入して雨漏りとなります。

ひび割れが軽微な場合は、表面の塗膜を塗り直すだけでも効果はあります。

また、コーキングでひび割れを埋めることもできます。

ただし、スレートそのものはもともと耐用年数が瓦よりも短いので、15~20年程度で貼り替えが必要とも言われています。

 

瓦の位置ずれ

瓦屋根は、野地板の上に防水シートを敷き、その上に瓦を並べてあるケースがほとんどです。

地震や台風などの自然災害で瓦の位置がずれたり、瓦の下の防水シートが破れたりすると、そこから浸水して雨漏りになります。

瓦はスレートより強度はありますが、その下の防水シートや棟部分の漆喰(しっくい)部分は瓦ほど耐用年数が長くありません。

瓦の位置がずれたりちょっとしたひび割れの補修程度ならそれほどの技術を必要としませんが、瓦をはがして防水シートを張り替えたり、漆喰の塗り直しなどは、やはり専門的な知識と技術が必要になります。

 

トタン屋根の錆

トタン屋根は鋼でできていますが、やはり経年劣化で錆が出ます。

錆びた部分は徐々に広がり、トタン板に穴が開くとそこから浸水して雨漏りになります。

また、穴の部分は通常部分よりも急速に錆が広がるため、雨漏りはどんどんひどくなっていきます。

錆びて穴の開いた部分を除去して、板金を葺き直す必要があります。

 

雨どいの詰まり

屋根の周囲についている雨どいが落ち葉などで詰まっていると、そこから水があふれて雨漏りにつながる場合もあります。

屋根の周りだけでなく、屋根から降りてきた先が詰まっていても、やはり上からあふれてくるので、雨どいの詰まりは早めに解消しておきましょう。

 

軽微なもの以外は専門業者へ依頼しましょう

 

物置や小屋とはいえ、雨漏りの補修については高所作業になる場合が多いです。

また、スレートの貼り替えなどは特殊な工具が必要になる場合もありますので、コーキングで屋根材のすき間やひび割れを埋める程度の軽微な作業以外は、専門業者へ依頼した方が無難です。

屋根の上は歩き方を間違えると、トタンをへこませてしまったり、瓦やスレートを割ってしまったりと、かえって雨漏りがひどくなることもあるので、自信がない方は屋根の上を歩くのはやめましょう。